「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話」感想

最近書店に平積みで見かける事が多くなった、経済の入門書。
読み始めてあまりに面白くて2日で読み終わった。kindle paperwhiteで2000ページ。
読み始めると止まらない性分ではあるが、理解が遅い私にとって初めて2日で読み終わった経済の本かもしれない。

感想としてはもちろん、非常に面白い。
経済を数値で理解するのではなく、経済の歴史を説明しながらなぜ、今の経済の形がとられているのか、その本質を説明しようとしている。
巷にあふれているテレビや新聞で語られている数値の意味が分かるように、という解説書ではない点が私には非常に面白かった。

これまで経済に関する本を何冊か読み、そのたびにGDPの説明から入り、日本社会のお金の流れがどうなっているかを説明してくるが、どうにも頭に入ってこなかった。
読み終えても計算上は確かにそうなっているのだろうけどだからどうした、という理論と体験の間に大きな溝ができて終わってしまう。
納得できないし、検算しているようで読むのがつらい。

一方本書は「なぜ格差があるのか?」という疑問から入って何故市場社会があり、何故経済が回っているのか、そしてそれが一概に正しいといえるのか、を非常にわかりやすい例えや思考実験で説明している。
中学生ぐらいの時に「君たちはどう生きるか」という本を読み世の中に疑問を持つこと、思考ということの面白さを知ったが、科学と同じく経済を身近に感じるために、中学の同じタイミングで読みたかったなぁと思う。
一度、知識を捨てて純粋な気持ちでふらっと呼んでみると、日常の見え方が少し変わるかもしれない、そんな名著だった

中学生や高校生、社会人でも、経済について考える階段を一歩上りたい、そんな人におすすめです。